リピートアフターミー
「人って気に入った物があったら無性に繰り返すじゃない?」
「それは曲でも食べ物でも」
いきなり彼女はそう言った。
「それが好きってことじゃないんですかね」
と私なりの回答を受け変わらない眼差しで彼女は続ける。
「でもその繰り返しが永遠に続くとは限らない。きっとその好きよりも目新しい好きが出来たら過去の畜産されたお気に入り1つを消滅させてまた新しいお気に入りに組み込んでいく」
「何が言いたいんですか」
「これを友達に置き換えてみなさい」
私は頭の中で想像する
「1ヶ月30日として1人の友達に1日費やしたとしても少なくとも30人」
「でも毎日人と遊ぶことなんて出来ない」
あまりにも当然のような事を言われてキョトンとする私を横目に彼女は、
「また何が言いたいのかって顔してるね」
彼女はニヤリと笑ってこういった。
「まぁつまりあれだよ
君が友人として数十年先もこの人には時間を作ってでも会いたいと思える人を探しなさい。
それこそが青春の醍醐味だ」
これが彼女の最初で最後の人生の先輩としてのアドバイスだった。